音源をインストールしてみたけど、どうエディットしたらそれっぽい音になるのかわからない……。
というわけで、今回からは具体的な音色エディットについて解説をしていきたいと思います。
前回記事:
チップチューンを無料ソフト音源で作ってみよう! ソフト紹介編
音源として使っているソフトは、前回紹介したこちら。
ソフトによって具体的な設定値などは異なりますが、基本的な考え方はかわらないはずです。また、ソフトレビューの際にも説明したとおり、使っているDAWによってインターフェースの見た目が変わりますのでご注意のほど。
それでは早速いってみましょう!!
バスドラムの音を作ってみる
最初はリズムの基本、バスドラムの作り方から。
バスドラム その1 (矩形波)
これはアタックが強めで、パンチのある音色です。
パラメーター設定
使用する波形はSquare(矩形波)。
『Sweep』を使って瞬間的にピッチを上下させ、バスドラム独特の音を作り出します。
『SweepTime』や『Decay』『Release』、そしてMIDIデータの音階・デュレーション(音の長さ)を調整することにより、こういったちょっとタイトめな音から、もっとゆったりした音を作る事もできます。
バスドラム その2 (三角波)
先ほどの音だと、ちょっとアタック感が強すぎて曲によってはイメージから離れてしまうかもしれません。
基本の波形を矩形波から三角波に変えることで、かなりマイルドな音色になってきます。
パラメーター設定
波形を変えただけで、だいぶ音のイメージが変わりましたね。
まずは波形を選んで大まかなイメージを決め、曲調に合わせてパラメーターやMIDIデータを調整していきましょう。
スネアドラムの音を作ってみる
スネアドラムの音は、ホワイトノイズを使うのが基本です。
基本のスネアドラム
パラメーター設定
ご覧の通り、ホワイトノイズのADSR(Attack、Decay、Sustain、Release)を調整しているだけです。
Decayの設定次第でイメージが全く変わってくるので、曲調に合わせて調整してみましょう
リバーブがかかったようなスネアを作る
当然、実機で本物のリバーブをかけることはできません。(スーパーファミコンの場合、ディレイはかけられたようですが)
なので、これもADSRやデュレーションの調整を駆使して表現します。
パラメーター設定
いかがでしょうか?
ホワイトノイズしか鳴らしていないのに、リバーブ余韻が残った感じに聞こえませんか?
ちなみに、ただDecayをのばすだけだと、こんな感じになります。
これはこれでありかもしれませんが、あまりリバーブという感じではないですね。
この音はADSR以外にも調整するポイントが多いので、順番に解説していきましょう。
具体的なエディット方法
まず、Decayで普通にスネアの音をエディットした上で、Sustainを少し上げ、リバーブ成分にする音を作ります。
1)普通のスネアの音を作る
2)Sustainを調整する
このままだと、ホワイトノイズが伸びているだけの音になってしまうので、MIDIデータのデュレーションを調整し、ほんの少しだけ(重要!)音のSustainの部分が聞こえるくらいの長さに。
3)MIDIでデュレーションを調整する
最後にReleaseを調整し、リバーブっぽい余韻を作ってみましょう。
4)Releaseを調整し、完成
こういったエディットにより、リバーブをかけたようなスネアの音が作れます。
文字の説明だとちょっとわかりづらいかもしれませんが、実際にパラメータをいじりながらだと感覚がつかみやすいので、実際にやってみる事をおすすめします。
■ ワンポイントアドバイス
ポイントはDecayがMIDIのデュレーションより長くならないようにすること。
これを守らないと、Sustainのパラメーター設定の意味がなくなり、その2-2のような音にになってしまいます。
ADSRだけでなく、MIDIデータのデュレーションや曲のテンポまで考えながらエディットしなければならないのでちょっと面倒だと思うかもしれません。
ですが、こういう単純なパラメーターを使っていかに多彩な音を作り出せるか、というのがチップチューンの醍醐味でもあります。
いろいろパラメーターを調節して、自分だけの音を作り出してみてくださいね。
スネアドラムの解説がちょっと長くなってしまったので、今回はここまで。
次回はタムやハイハット、シンバルと言った音の作り方を解説していきたいと思います。
前回:チップチューンを無料ソフト音源で作ってみよう! ソフト紹介編
次回:チップチューンを作ってみよう! ハイハット音色編